キミさえいれば
俺ね、いつも俺にちょこちょこ付いて来る凛がすごく可愛かった。


勉強が苦手で、ドジで危なっかしいところも、全部がいとおしかった。


そんな凛が近所の連中に毎日のようにからかわれるのが、心配でしょうがなかったよ。


髪が栗色の凛は、どこへ行っても目立っていたしね。


俺が守ってやらなくちゃって、ずっと思ってた。


その気持ちは日増しに強くなっていって。


気がつけば中一の頃には、もう完全に好きになってたよ。


妹なのに。


好きになっちゃいけないのに。


必死で自分にそう言い聞かせてた。


だけど、誰に告白されても、付き合う気になんてなれなくて……。


ずっと、苦しかった……。

 
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