ハート交換
「あの人が君じゃない?こうやってみると・・・君、カッコイイ。」


池にいるアヒルに餌をやっている森本晃の姿が見えた。しゃがんだ姿の横顔が端正でカッコよかった。わたしは、胸がドキドキしてきた。


『そりゃどうも。でも緊張しないでくれよ。大丈夫だから。』


「分かってはいるんだけど。」



それが出来たらこんな苦労はしていない。わたしは、被ってきた帽子を深く被り直す。


何て声をかけたらいいのだろうか。しばらくの間、アヒルに餌をやっている彼の姿をじっと見つめていた。



「水沢なみかさん?・・・だよね。」


わたしの存在に気づいて彼が声をかけてくれた。



「コンニチハ・・・あの遅くなってごめんなさい。待ったでしょ?」



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