ハート交換
隣を並んで歩いている晃が心配そうに私の顔を覗きこむ。



「どうした?心の中の俺がなんかいったか?」



「別に・・・何も言ってないよ。」



私は、隣にいる晃に思わず嘘をついた。



「嘘ついても駄目だぜ。君、とっても分かりやすいから。」



晃がニヤリと笑った。


「俺も明日から花屋でバイトさせてもらおうかな。俺と一緒の方が水沢もイイだろ?」



晃は、そういって携帯をポケットから取り出した。



「もしもし、店長?お疲れ様です。実は明日のバイトのことなんだけど・・・」



ゲッ!!もう店長に電話してる。行動速すぎだよ。わたしは、携帯で話している晃の右手に突然しがみついた。


「わぁ!何すんだよ。いきなり、水沢やめろ!」



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