ハート交換
資料室から飛び出してきた小川さんの手には



ハート型の大きなクッション。



「フフフ・・・」



緊張の糸が少しほぐれる。小川さんも必死に考えてくれてる。



そのことがとてもうれしかった。



「ハート型のクッションですか?」



「やっぱりダメ?」



「たぶん、鏡には通じないと思いますよ。でも、よかったらそれ下さい。」



私は手を思いきり伸ばす



すると小川さんがクッションを投げ渡してくれた





「ごめんな。君たちの役に立てなくて。」



「いいんですよ。これは私達の問題ですから。では・・・私、もう行きますね。」



クッションを両手に抱きしめると気持ちが落ち着いてくる。




< 264 / 284 >

この作品をシェア

pagetop