ナムストーンPART3

イラク3

スカッドミサイルの動きはまさに異常であった。
大慌てでシェルターに身を隠そうとしているのだ。

米大統領の決断を高官たちがかたずをのんで見守っている。
「大統領ご決断を。イラク総攻撃のご決断を!」

大統領が何かつぶやいた。
「ナムストーン」
「え?ナムストーン?」
高官たちが顔を見合わせ一瞬の沈黙が流れる。

大統領が声を発した。
「ちょっと待ちたまえ諸君!総攻撃は中止だ!」
とその時緊急直接電話が入った。

バグダッドに潜伏中のCIA局員から大統領に直接電話だ。
電話の声は諜報員らしからず興奮してかん高かった。

「大統領!たったいまイラクのサダムフセインが自殺しました!
イラクのフセイン大統領がピストル自殺しました。確実な情報です。
フセインはたった今バグダッドの国防省内作戦室にて自ら

短銃を口内に向け発射し自殺しました。即死です。ビデオ映像を
送ります。さらに重大な発表があります。3基の核弾頭を積んだ
スカッドミサイルがこれもたった今ヨルダン国境沿いのシェルター
にて3基とも反フセインの部隊によって拘束されました。

繰り返します。イラクフセイン大統領はたった今バグダッドの
国防省内作戦室にて核を搭載した3基のスカッドミサイルの発射に
失敗し反フセイン高官メンバーによって取り囲まれ、銃を抜いて

対峙する形になりましたが、フセイン側の高官全員が降伏すると
同時にフセインは手に持った短銃を口内に突っ込み、自ら発射して
即死しました。今現場の映像が送られていると思います。

もう一度繰り返します。イラクのフセイン大統領が自殺し
フセイン体制はたった今崩壊しました・・・・・・・・・」
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