ナムストーンPART3

予兆2

6月に入って京都はうっとおしい梅雨に入った。
その日も蒸し暑い曇り空だった。
オサムオサナイは胸騒ぎを感じて石を見た。
今日の梅雨空のように暗く沈んでいる。

ナムストーンと囁くと申し訳なさそうに
僅かばかり明るくなるだけだ。そのとき、
ナセルからメールが入った。

「ハワイのキラウェア天文台に電話が通じません。
ハワイのメンバーに動いてもらってはどうでしょうか?」
「了解しました。すぐ連絡をとってみます」

確かにキラウェアには全く通じない。
ハワイにはすでに数十人のメンバーがいて
中心者のカメハメハはハワイ大学のメンバーとともに
5人で空中飛行をたびたび繰り返している。

キラウエアには光る石もある。さっそくカメハメハに
動いてもらったが、天文台はすでに米国海軍によって
封鎖されているとのことだった。

オサムオサナイは全世界200か国の中心メンバーと
大英博物館を通じて350か所の光る石所持者に向けて
緊急連絡第一号を発した。

「近いうちに地球規模での大事件が発生しますので、心して石を
見守っていてください。少しの変化でもあればみんなと連絡を
取り合い全世界にナムストーンの渦を巻き起こしていきましょう」

その頃世界各地の大型望遠鏡を持つ天文台はすべて各国の軍隊に
よって封鎖されていた。

アメリカ合衆国、ニューヨーク国連本部、ペンタゴン、ホワイトハウス
はこの日厳しい報道管制がしかれた。

「公式発表はまだ先だ。押さないで押さないで。今再分析中だから
発表までもう1日かかります。まだ不必要に騒がないでください!」
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