甘く寄り添って
「悠、毎晩パーティで悪いな。あと一日だ。それが終われば帰れる。今夜もぐっすり眠れるといいが。」

「私は大丈夫です。パーティは楽しかったですしいろいろな人と話せて視野が広がったみたいです。」

「それならいいが、明日はTV局をいくつか回って、午後のパーティがある。夜の便で帰国だ。」

「パーティ三昧ですね?」

「悠。」

「はい?」

タイを解いて前髪を掻き上げながら気だるく私を見下ろした彼に

私は一瞬ドキッとしてしまった。

「ありがとう、君が居てくれてなぜかホッとできる。」

その言葉にさらにドキドキした。

「大してお役に立っていません。逆に楽しませてもらっているのに。」

「そう。」と言って彼は少し笑った。

時下さん、酔っているのかしら?

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