甘く寄り添って
「君はなぜ聞かないんだ?」

「何をですか?」

「僕が薫と別れた理由だよ。知りたくない?」

「それはプライベートなことですので。」

「いいよ、話しても。」

「・・・・・」

「薫は男だ。仕事第一だ。僕が求めるパートナーは彼女じゃない。だが薫には充分理解してもらえたか今もわからない。君は仕事を通して彼女をどう思う?」

「薫先生はとても優しく私に接してくださいます。書くことに執念を燃やす方です。」

「巧い表現だな。ピーターが君に何を言ったか知らないが薫には君が必要だ。今までとは違い、君に何かこぼすことがあるかもしれない。迷惑をかけるな、すまないと思っているよ。」

「時下さん、そんな風に言わないでください。私には今起こっている全てに未経験なことばかりですので。」

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