フォンダン·オ·ショコラ
「あとは私がやりますから、先にあがって下さいね」



時計が19時を指したころ、向かいの席の後輩が、気を遣って言ってくれた。



「もうちょっとで終わりそうやから、大丈夫」



「でも…今日、デートやないんですか?」



今日は、私の誕生日。そんな私に、後輩はランチをおごってくれた。



そやのにアイツは…白昼堂々、見知らぬ女と…。


今年の誕生日に約束も、プレゼントさえも用意してくれていない…理由が今日、わかった。



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