ほんとうのこと
店を出て散歩気分で少し歩く


「いいものいっぱい買えたねぇ~♪大きくなったら好にも着せてね?」



どうやら本当に自分が着たいものを探していたようだ―




好の話に相づちをうちながら歩いていると―






―ドンッ…

ドサッ…







私は角から来た人にぶつかってしまった


思わず手に持っていた荷物を落とす



「お姉ちゃん大丈夫―!?」


好が慌てて私に駆け寄る


『すみませんっ…大丈夫でしたか?前が見えていなかったようで…』



角から来て
私とぶつかった男の人が私に手を差し出す



「ごめんなさい…好がお姉ちゃんに話をしてたからっ…」



反射的に好が私の代わりに誤った



確かに私は好の方を向いていたが
左右を見ていなかったわけではない


かといって
向こうが全部悪いわけでもない


私はまたしゃべれないことを
もどかしく思っていた…
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