ほんとうのこと
『本当にごめんね…僕は目が見えないんだ…』



(やっぱり…)



『…大丈夫ですか?怪我してませんか…?』



あっ…!



男の人は私が返事をしないことに怪訝そうな表情を浮かべていた




…どうしよう…



返事ができないことを悩んでいると


「あのっ…お姉ちゃんは声がでないのっ…でもけがとかしてないから大丈夫だよっ…」


私の代わりに好が返事をした




すると
男の人は一瞬曇ったような
不思議な表情を浮かべた―


けれど

それは一瞬のことで





次の瞬間には




ふわっ…と





空気が和らぐような自然な笑みを浮かべていた
< 13 / 36 >

この作品をシェア

pagetop