ほんとうのこと
『……』


きっとその時の私の表情はすごくおかしかっただろう



真鍋さんの言葉が
不思議と胸の奥に響いた…



だけど
頭で理解できなくて


口をあけて
ボーッとしてしまった

「…お姉ちゃん?どうしたの?」


ハッー



頭を動かして言葉を探す


そして
手帳に書いた文字を好に見せる


「…真鍋さん。お姉ちゃんが…
《真鍋さんの言葉は分かることと分からないことがあります。

だけど、不思議と気持ちが軽くなったように感じます。

私は声を失って家族や友達と話せなくなり

私の気持ちはもう誰にも届かないんだと思いました。

だから…すごく悲しかった。

そして、伝わらないなら…伝えたいなど思わなければ…と…

だけど…

やっぱり…

想いを伝える手段があるなら伝えたい…


私の声は届かなくても…

私はここにいるよって言いたい…


私の想いを無かったものに…なんて…したくなぃ…》」
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