ほんとうのこと
『それそろ出ようか…』

そう言って真鍋さんは伝票を持って立ち上がった










―会計を済ませて外に出る



話していた時間がとても短く感じられた



外の光を浴び
この時間がとても意味あるもののように思えた



『楽しい時間をありがとう。またどこかで僕を見掛けたら声をかけてよ』


「あっ…ごちそうさま。お姉ちゃんが《ありがとう》って言ってます。」


『うん。それじゃあまたね。』


真鍋さんはそう言って駅の方へ歩いていった




きっと
時間は誰のもとにも
止まることなく平等に流れ



その全てに意味があるものなんだ



だけど
それに気付けるのは

一瞬だから

とても尊く感じられるんだ…



「お姉ちゃん帰ろっかぁ~」


〈そ・う・だ・ね〉

頷いて
私たちも家に帰っていった―…
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