ほんとうのこと
私は好の話を聞きながら
曖昧(あいまい)に笑う…










そうすることしかできなかった…










私の笑った顔を見て

好が少し寂しいそうにしていることは気付いていた…




けれど
どうすることもできなかった






幼い好に"声"を失った虚しさ
悲しさを伝えても
どうにもならない


それ以前に
伝える方法すら知らない









それならば
曖昧にでも笑っていればよいと思った




伝えたいなど思わずに
ただ笑っていればよいと…
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