プロテクト・ストーリー?

バカなヤツ程、愛しさが増す。蒼SIDE




「海って、賢いのか、バカなのか、
わかんねー。」



「へっ!??」



海の理解力のなさは酷い。
何度も何度も同じことを繰り返し
丁寧に説明して、
それで、漸く、理解する。
一度や二度じゃ、絶対に理解できない。



だけど、海の暗記力の凄さは、
ものすごく尊敬する。



一度、理解して、
頭に取り込んだ知識は
絶対に忘れない。



だから、ミニテスト
(ミニって、言える程じゃない。
範囲は膨大、問題数は50問。)
そんな過酷なテストでも、満点を取る。



―初めは、
キスが嫌なのかと思っていたけど、
海は俺を拒まなかった。



それに喜びを覚え、調子に乗って、
何度も何度もキスをしたら、
寝落ちされてしまったっていうのが、
24時間ぐらい前の話。



「理解力は酷いくらいないのに、
暗記力は凄いくらいあるってコト。」



「…私、理解力、ない…?」



「うん。ない。」



昼間は友だちと一緒に
勉強しているらしい…。
こんなこと、言ったら、
きっと、
泣いちゃうから絶対に言わないけど、
海の友だちは本当に苦労していると思う。



バカな程、教えがいがあって、可愛い。




俺自身は、そんな風に海のコトを考えて、
可愛くて可愛くて仕方ないから、
苦労だなんて全く思わないけど。



―というか、同棲を始めてから、
海への想いが時間が経つにつれ、
膨れ上がってきている。



この娘が、
愛しくて、愛しくて、堪らないんだ…。



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