【短編】恋しちゃダメですかっ?
僕は生まれつき心臓が弱く、みんなと外に出て遊ぶこともなかった。


都会のマンションから、緑の多いこの土地に越してきたのは、僕が7才、小学一年の時だった。


少しでも、空気のおいしい、綺麗な街で過ごしてほしい。

両親はそう思ったに違いない。



大きな窓から見える、隣の家のブランコに乗ってみたいと、いつも思うようになっていた。


あのブランコに乗って、両手を精一杯、空にのばし、何回も何回も、繰り返しブランコをこぎたい。



僕にはかなわぬ夢だった。



< 46 / 83 >

この作品をシェア

pagetop