そばにいたこと

告白

結局その決勝の試合は、僕の投げた後を先輩が投げたものの、試合を立て直すことはできなかった。
毎年優勝していた記録は、ぷつりと途切れてしまった。

そう、全責任は僕にある。
肩を壊すまで無理をして、そんな自分を正当化し続けた僕に。


僕はその後、すぐに野球部を退部した。

主将やコーチに、残るように言われた。
でも、ベンチの仲間としてチームに残る気は、僕にはなかった。

あの輝かしいマウンドにもう立てないのなら。
いっそ野球部など辞めてしまった方がいい。
そうでなければ、これからずっと、苦しみの中で野球を続けていかなければならないから。

そんな僕の気持ちに気付いていたコーチは、僕を無理矢理チームに残そうとはしなかった。
でも、いつでも戻ってこい、と言ってチームに籍だけは残してくれると言った。
本当は、そんなもの、消してくれて構わなかったのだけれど。


常にクールな春岡くんを演じるために、それでも僕は無理をしていた。
飛び交ううわさなど、気にも留めないふりをして。
まるで元々、帰宅部だったかのような顔をして。

苦しくなかったといえば嘘になる。
でも他に、どんな顔をしていればよかったというのだろう。

泣いたって、嘆いたって、もう何も戻らない。
戻るのは、あの時感じたやるせなさのみだ。



そんな僕は、意識的にグラウンドが目に入らないようにして授業を受けていた。
前は、よく授業中に眺めていたグラウンド。
緑色に塗られたベンチも。
もう僕の立ち入ることのできる場所ではないから――
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