【BL】生まれ変わって会いましょう。
まさか……。
「要樹、もしかして見えるの………?」
「……見えるか見えないかで言えば、見えるな。」
しれっと要樹は答えた。
“馬鹿な……貴様からは霊力を感じないのに……”
「ああ、そうだろうな。俺はコイツとは少し違うからな。」
コイツと言いながら指差したのは俺。
俺は目の前の出来事に頭が追い付いていかず、一言も発することが出来なかった。
「佐紀、」
名前を呼ばれ、意識を現実に引き戻される。
「誰にも傷付けさせはしない。」
「ぇ……」
要樹は真っ直ぐ俺を見た。
「俺が――」
「――居たぁ!!!」
大きな叫び声で要樹の言葉は途中で途切れてしまった。
開けっ放しのドアの方から、声の主は壱さんだった。
その後ろには龍さんと朱鷺の姿も。
「壱さん!龍さん!朱鷺も!」
「ちっ………」
ん?要樹くん何で舌打ち?
「無事で良かったぁ!」
と、壱さんが駆けてきて飛び付いてきた。
背中が壁だっただけに転倒は免れる。
ふー、危ない危ない。