今日、君が結婚します
「亜希子、どうだった?泉美と話せた?俺、気になって仕事が手に付かなくて」



お風呂から上がると携帯に着信アリの表示。大和くんからだった。



余計なことを言わないように頭の中で話す内容を考えつつ、掛け直した。2コールで出た大和くん。



今日は休日出勤だけど夜には会いたいと言われていた。でも、さすがに今日は普通に会える自信がない。



「それがね、留守だったんだ。だから、まだ会えていないの。それでこれは提案なんだけど私、クリスマスまで大和くんには会わないようにする。やっぱりそれまでに泉美と話してけじめつけて楽しいクリスマスを過ごしたくて」



「亜希子に一週間も会えないの?電話もメールもするなってこと?」



「ごめん、でもクリスマスは一日、一緒に過ごそう。すごく楽しみ。プレゼントちゃんと用意するから楽しみにしていてね。絶対、一緒に過ごそう!!」



半ば強引な提案で最初は渋っていた大和くんだったけれど『クリスマス』を強調したことでようやく納得してくれた。



やっぱり、ズルズルはできない。




クリスマスで終わりにするのならその日を最高の一番の思い出にするためにもその日までは会わない。
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