今日、君が結婚します
廊下の窓を見つめていた寛子が私に気がついたけれど足を止められなかった。



走って、走って今は一人になりたい。大粒の涙が溢れるけれど止められない。



彼女がいたんだ。



そうだよね、あんなにカッコ良くて素敵なんだもん。彼女いるよね。



「・・・アッコ」



放送室の前で蹲る私を追いかけてきた寛子がそっと後ろから抱きしめてくれる。




寛子の腕の中で嗚咽を漏らして泣いた。こんなに泣くのは初めてなくらいたくさんの涙を流した。
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