今日、君が結婚します
雨音が響く教室。『すき』と小さく呟いた。


聞こえてるかな、聞こえなかったかな。



すると松原くんは席を立って私に向かい合った。肩を掴んで真剣な眼差しを向ける。



「・・・ごめん。俺、他校に彼女いる。でも、ありがとう」



「そ、そっか。ごめん、ごめんね」



今にも泣きそうな顔をしていたのは松原くん。振られたのは私なのに、泣きたいのは私なのに。



無理して笑ってありがとうって言ってカバンを持って勢いよく教室を飛び出す。
< 15 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop