今日、君が結婚します
「おはよ、今日雨で気分乗らないな」
「あっ、なんか髪型変えた?」



些細な日常会話だけじゃなくて私の少しの変化にも気づいて声を掛けてくれる。



目が合ったら目尻を下げて笑ってくれる。だから私はどんどん松原くんを好きになった。



「もうそんなに好きなら告白すればいいのに」



それが出来たら苦労はしない。結局、告白なんて出来なくて放課後もこうやって部室の窓から彼を見つめるだけ。



私は放送部なので下校放送が終わるまでは帰れない。かと言ってそれまではほとんど仕事もないのでここで寛子と話すことが日課。



たまに顧問の先生の雑用なんかをさせられるけれど行事やコンクールの時以外は基本的には暇。
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