今日、君が結婚します
「本当に、本当に気にしないで。髪の毛で隠れて見えないし、私丸顔だからショートには絶対しないしね」



あっ、松原くん笑ってくれた。そうだよ。せっかく庇ったんだから俯かないで笑って。


手伝ってくれたお礼だと思ってくれたらいい。痕が残ってもそれで松原くんが怪我をしなければそれでいいんだ。



「ねえ、平瀬。お腹空かない?せめてお礼だけでもさせてよ」



「えっ?いやいやお礼なんてしてもらうことでもないよ」



「それくらいさせてよ。でなきゃ俺、女の子にただで守ってもらったなんて格好悪いからさ。ねっ」



はにかんだその笑顔がやっぱり好きで私はただ小さく頷いた。
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