彼が虚勢をはる理由





…………何処までバレてるんだろう? もはや恐ろしい。
ハルの言う事は事実で、私は夏野君が教室に戻ってくるのを待って、事件の真実と、夏野君が暴力を奮う本当の理由を、夏野君の口から直接聞きたいんだ。
夏野君が理由も無く、人を無闇に殴ったりするとは、私にはどうしても思えないんだ。


「うわー、マジか!! じゃあ香苗、頑張ってね! で、明日にでも、色々聞かせてね!!」

「いや、だから違うっての!」


舞子はニコニコしながら勘違いしていて、もはや手に負えない。
いや、ハルのいう事も事実だから、あながち勘違いでもないんだけど。
私は事実を話すのは照れくさいから、どうにかして話さないで済ます方法を考えたいのと、ハルの暴露と舞子のテンションについていく事が出来ず、もはや軽いパニック状態になってしまった。


「じゃあ、明日の話、楽しみにしてるわ! 香苗、ちゃんと掃除してから夏野君を待つんだよ」

「いや、掃除を邪魔してるの、むしろハルと舞子でしょ! 周りに迷惑がかかるわ!!」

「じゃあ、どうしよっかなー? ウチ、今日は彼氏と帰ろっかな♪」

「もう勝手にしてくれ!」


ニコニコとテンションが高いハルを何とか追い払った後に、舞子がこっそりと耳打ちしてきた。
いや、だから……。





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