Sunshine love
進展はいかに!
どれどれー。奈緒はどんな状況かしら。私は厨房からそっと、巧くんたちの方向を覗き見た。

2人は…話し込んでいた。
いい雰囲気だろうか。少し疑問だが、今日初めての2人っきりだ。
そういえば、もう1人がいない。
空気読んでくれたのかな。
申し訳ないけど、ありがたい。


「ねぇ、郁ちゃん!」
いきなり話しかけられて、無意識で飛び上がってしまっていた。
「はい!!」
見ると、巧くんの片割れだ。
「あっ、どうも。」
「どうも、じゃないでしょ。3人にしないでよ。あの2人の良い雰囲気を邪魔しちゃうでしょ。」
気づいていたらしい。意外と鋭いかもしれない。
軽い口調だから、ちゃらいのかも。だから、分かるのかも。
とりあえず、協力してもらうか。
「この学園祭で2人が両思いだって、気づいて欲しいから、協力してくれない?」
すると、その人は、にんまりと笑った。怪しい。何か悪だくみでも考えていそうだ。ていうより、考えているだろうな。
「じゃ、協力したら、1つ、お願いを聞いてくれる?」
とにかく、協力してもらわなきゃ、ならない。だって、奈緒のためだし!
「いいよ。」
大丈夫だろう。たかが、高校生の望みだ。ろくでもないお願いだったならば、法的手段にでも訴えよう。
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