Sunshine love
女子、戻る!
奈緒と話しているうちに、いつの間にか、もうすぐ1時間という時刻になってしまった。
諒と巧くんを待たせては、申し訳ない。
それに、奈緒と巧くんは、2人の恋人記念日が今日なわけで、2人で残りの今日を楽しんでもらわなければ、と思っている。
私の独断と偏見だが。


「よし、行くか!」
のんびり歩いても15分で先ほどのカフェに着いた。
「巧!諒さん、お待たせ!」
奈緒が駆け寄る。
私は諒の近くに行って、
「奈緒と巧くんは一緒に帰るだろうし、うちらは一緒に帰ろう。」
と小声で言った。
「はいよ。」
軽いノリの返事にげんなりだが、仕方がない。これがおそらく諒なのだろう。


「ねー、わたしと諒はそろそろ帰るね!ごめん!わたし、塾だし、諒はテレビ録画し忘れたって!」
適当にごまかすと、諒は、は?っていう顔をしてきた。だって、それくらいしか浮かばなかったんだから、しょうがないでしょ!
嫌なら、私に言わせないでよね!
話を合わせて、お願い!!


「そうなんだよ。まじ、だせーよな、俺。」
助かった!あとで、お礼しなきゃね!
「そーなの?じゃ、あたしらは、もう少しこの辺を散策する!」
「うん!ごめんね!じゃあ、また明日、学校で!巧くんもさよなら!」
「ばいばい!」
そう言って、わたしと諒は2人を残して帰ることにした。
諒は呆れ返っているようで、愛想が悪い。もう、適当なうそにいちいち驚かないでよね。


私たちはのんびり歩いて、電車に乗った。どうやら、諒とは最寄り駅が2駅違いみたい。
私たちは、サッカーの話からわたしの部活の話まで、たくさんの話をした。結構、楽しかったな。ま、言わないけどね。
諒にお礼をしたいって言ったら、じゃあ、メールでと言われた。
メールか。
ほんの少し、諒とメールできて、嬉しいかもなんて思ってしまった。
だからって、好きじゃないもん。
私たち、友達だし。


明日も学校だ。正直、少し疲れた。
でも、学祭のあとは、みんなテンション高いんだよね。
疲れも吹き飛ぶ。
学祭の後、明日片付けをしたら、2日間、休みがある。
そこで、ゆっくり休もう。
諒と、私の最寄り駅で別れた後、そんなことを、考えながら家に帰った。




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