ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ
伊織さんのことで私に言えることは何も ない。でも、これからの海君には言いた いことがいっぱいある。
私は言った。
「いつまで中3のままの私達でいられる と思ってるの?お互い、離れてる間に色 んな経験してる。私は海君以外の男も見 てきた。おかげで、自分の情けない所や みっともない部分は増幅(ぞうふく)し てるから、そんな私を知ったら海君は ショック受けるかもしれないよ?」
「そんなの、ノーカウントだ。男を知っ てる?どの口が言ってんの?そいつら に“恋”なんてしてなかったクセに」
急に強気になる海君。勝算でもあるのだ ろうか。
「俺は、ヨウを幸せにしたい。俺が幸せ にしてもらったから。次はヨウが笑う番 だ」
私が、海君を幸せにした……?