キミを守りたい。
初めて会った君は
「買い出し行ってくるー」



俺は、父と母が自営業でやっている、小さな定食屋で働いている。
竹井雅也。28歳にもなって彼女さえ無しのさえない男だ。

少し前までは姉も手伝ってくれていたこの定食屋も、姉が結婚して、子供ができてからは、俺の仕事が一気に増えてうんざりしていた。


一番面倒なのは、姉が今まで任されていた買い物。
うちの定食屋で使う野菜は、必要最低限しか取り寄せないため、足りなくなったものは近所のスーパーに買いに行くことになっていた。
それを俺が引き継いだわけだ。
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