嘘つき、でも騙されてあげる
シャワーを浴びていると、卓斗の声がした。



「夢花一度家に帰るか?着替えがほしいだろう?」



嫌だ家には帰りたくない。


私はバスルームのドアを少し開け、



「卓斗後ろ向いて。」



卓斗が慌て後ろを向く。



私はドアを開け、「まだ家には帰りたくない。



パパとママには会うのが怖い。



着替えは何処かで買いたいけどいい?」



卓斗がいきなり振り向く、


『ギャー 。』



振り向かないでよ。



泣きたくなる。



卓斗が私の濡れた体にバスタオルを掛ける。



「早くふかないと風邪引くよ。」



私は固まったまま。



卓斗が私の体をふいてくれる。



私はされるがまま。



ねぇ卓斗は誰にもこうするの?



卓斗が、「なんて顔をしてんの?



夢花だから優しくしてしまう。



少しの間でもそばにいたいから。」



「髪も乾かさないといけないな。」



そんなに優しくしないで。




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