Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
翌日、HR終了間際に坂下が教室に入ってきた。



久しぶりに見た坂下は、少しだけ顔色が悪いな…と思った。



蒼は、教壇を坂下に明け渡す。



教壇に立った坂下は、私たちに衝撃的なことを告げた。



「この度、担任を外れることになりました。」



どうやら坂下がしばらく休職するため、担当クラスを持っていない教員を担任に据えるらしい。



受験生クラスに担任不在じゃ、格好がつかないから?



しばらくっていうのがどのくらいか分からないけど、冗談じゃない!



クラスでは仕方ないって空気が流れてるけど、私は坂下じゃなきゃ認めない。



私は立ち上がり、教室から出て行こうとした。



扉の前に立ちはだかった蒼が、口を開いた。



「直談判するつもりか?」



「そうよ。

先生が少し休むからって、何で担任降ろされなきゃなんないのよ?

あんた、副担任なんだから代行すればいいじゃない。

蒼、あんたは何のためにいるのよ!?」



「何のため…なんだろうね?」



蒼は、自嘲的に笑った。



コイツも、坂下が担任を外れることに反対なんだな…そう感じた。



「ゴメン、言いすぎた。

でも…悪いけど、退いて。」



私は蒼の肩を押しやり、扉に手をかける。







 

< 129 / 243 >

この作品をシェア

pagetop