Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
電車に揺られ、江ノ島へ向かう。



隣に座っている坂下の左指が、私の右手に触れた。



デートだもん、手くらい繋ぎたいな…。



私の考えてるコトなんてお見通しなのか、坂下は私の指に自分の指を軽く絡めた。



その手には、私を拒絶する銀色の光はもう無い。



不倫でもいいから坂下に愛されたい…。



ずっと、そう思っていたけど…やっぱり指輪は無い方がいい。



途中、幼稚園くらいの子供が私たちの手を見て、お母さんに言った。



「おねぇちゃんたちラブラブなのに、お手々ちゃんとつながないのヘン~。」



坂下はそれを聞いた途端、絡めた指を解いてしまった。



あぅ~っ(泣)



怒りを子供にぶつけるわけにもいかず、私は恨みがましく子供の母親を睨みつけた。



「アンジェ、楽しく出かけようという時にそんな顔をしないでください。」



「じゃあ…、手。」



「人前では、無理です。」



「やだ、手。」



自分の右手を、坂下の前に差し出す。



「これを差し上げますから、機嫌を直してください。」



私の手のひらに、キャンディがひとつ転がった。



飴玉っ!?



私は子供か~っ!!



私より年上の子供がいる坂下にしてみたら、子供か…。



「私はあなたの笑った顔が好きですよ、アンジェ。」



私にとって、キャンディよりも甘い囁き…。



坂下に手を繋いでもらうのを諦めた私は、キャンディを口にした。



そんな私の様子を、坂下は満足そうに見つめていた。



私も坂下を見つめ返した。



他人を睨みつける時間あったら、大好きな坂下を見ていたいもの…。











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