Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
朝食
朝ごはんを何にしようか考えていると、坂下が声をかけてきた。



「ホットケーキにしましょうか。」



リクエストがあると、悩まなくていいから助かる。



なんて思いながら、戸棚からホットケーキミックスを取り出す。



だけど坂下は私の手から、それを取り上げた。



「私が作ります。」



坂下はそう言うと、戸棚にホットケーキミックスの箱を戻した。



代わりに小麦粉や他の材料を取り出すと、キッチンに立って手際よく作り始めた。



私が、坂下に作ってあげたかったのに…。



でも、坂下はすごく嬉しそうにしてるから止めるのも悪いかな…。



そう思いながら、さっきまで坂下が見てた棚に視線を移す。



そこには、赤ちゃんくらいの大きさをしたウサギのぬいぐるみ。



キッチンに向かう前、坂下がぬいぐるみを手に取って見てたな…なんて思いながら、私も手にする。



小学校にあがる前には私のとこにあったから、大方パパがママと離婚する前にくれたのかな?



ぬいぐるみを眺めながら、ぼーっとしてると…。



「できましたよ、冷めないうちに食べましょう。」



耳元で、声がした。



坂下が作ったホットケーキは美味しくて、どこか懐かしいような味がした。



ママは、ホットケーキなんて作らなかった。



なのに、懐かしく思うなんて不思議。










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