Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
最期
「和さん、また明日ね。」



「待っています。」



そう言って、私たちは今日もキスを交わす。



坂下が指輪をくれたあの日以来、病院に来たときと帰り際のキスは欠かさない。



買ったときはぴったりだった坂下の指輪は、今じゃ関節で辛うじて抜け落ちない程に緩くなってしまった。



学校に来た翌日から、坂下は少し熱がある。



あの時、やっぱり無理して来たんだろう。



坂下に宣告された余命が、すぐそこまで近づいていることもあって、心配…。



明後日は卒業式だけど、来てもらえそうにないな。



残念だけど、生きているだけで…それだけでいい。



式典が終わったら蒼のHRなんかバックレて、坂下に証書を見せに行こうか。



だから、明後日までは坂下を連れて行かないで…。



帰り道、夜空に輝く星たちに私は願った。



学校→病院→家というように毎日通ってるせいか、いつもは寝つきの良い私だけど、なぜかこの日は…なかなか寝つけなかった。













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