Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
薔薇
高校を出ても、事務所ではお茶くみと掃除ばかりさせられた。



半年以上もブランクあったら、もうグラビアモデルの仕事なんて来ないのかな?



ホワイトデーに幸せそうに街を歩く恋人たちの姿を見たくなかったから、私は急ぎ足で家に帰る。



家に着くと、ドアの前に花束を手にした男がいた。



「ウチに何か?」



「あ…やっぱり、アンの家だったんだ?」



男はそう言った。



どこかで見た…ような気がした。



だけど、ドコだっけ…?



「ウチの学校クラス多いから、知らないのも無理ないか。

途中までは、幼稚園も一緒だったけどね。」



高校は知らないけど、幼稚園は…思い出した!



「私の髪をいつも引っ張ってイジメてた、タクヤ!」



「そんなこと覚えてたのかよ…。」



4歳の時のことを、つい最近思い出したばかりなのは内緒だ。



「その花束、何?」



「ウチの手伝い、届けて来いってさ。

卒業式んとき耳にしたけど、坂下先生と付き合ってた噂…マジ?」



「アンタに関係ない。」



私は、真っ赤な薔薇の花束をひったくるように受け取ると、ドアを開けた。










 

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