Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
水辺でのショー&パレードの時間が近づいてきたので、みんなで見に行くことにした。



私たちが着いた頃には、かなり人が集まっていた。



小さい梨香どころか、私でも見えるかどうか…。



とりあえず梨香は蒼に任せ、ショーが見えやすい場所に移動する。



気がつけば、坂下と2人きりになってた。



「アンジェについてきて正解ですね、先程よりもよく見えます。」



今、坂下と2人きりは勘弁して欲しい。



レストラン前でのこと、思い出すじゃん…。



泣きそうになった私は、混みあっているのをいいことにショーの見物から抜け出した。



抜け出したところで、坂下に手首を掴まれた。



ずっと我慢してたけど、もう無理。



私の目から、涙が溢れた。



坂下は黙ってハンカチを差し出すと、私を建物の陰へと連れて行ってくれた。



私はそのハンカチで、涙を拭った。



「私があのようなことを聞かなければ、あなたが衝動的に自分の想いを口にすることは無かったでしょう…。」



そう…だったかもしれない、でも口にしたのは事実。



「無理を承知で、お願いします。

その想いに蓋をして、二度と開くことが無いように鍵をかけてください。」



坂下が、私に頭を下げて言った。



「先生、ごめん。

もう、そんなコトできないよ…。」



坂下の一挙手一投足に心をかき乱される私は、そう言うしかなかった。











 
< 56 / 243 >

この作品をシェア

pagetop