Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
メガネを外した状態で周りが見えるってことは…、僕は疑問に思ったことを聞いた。



「そのダサメガネ、もしかして…。」



「伊達眼鏡です。」



「メガネも髪型同様ダサいのは、教員に色気は不要だから?」



「そう思って頂いて、構いません。」



「そうやって見た目をイマイチにする努力をしても、上手くいかないこともありますよね。」



「何が、言いたいのですか?」



「アンジェのことです。

よっ、この女殺し!」



僕がおどけたように言うと、坂下先生は不快だったらしく眉間に皺を寄せた。



「レディキラーに、そのように言われる覚えはありません。

それとも、年増キラーとでも申し上げましょうか?」



「レディだろうが年増だろうが、僕はあれだけの美女に告られたことありませんよ。

いやぁ、それにしてもあの時の坂下先生カッコ良かったよなー。

『私には、妻と息子がいます。』とか言って口塞いで、告白を最後まで言わせなかったもんなぁ…。

今後のために、参考にしたいくらいです。」



「蒼先生、藪蛇という言葉はご存じでしょう?

余合さんの期末考査、楽しみですね。」



坂下先生はそう言うと、コーヒーを飲み干した。



まさか…梨香と付き合ってること、バレてる!?



僕はそう考えると、気が気じゃなかった。



だからなのか、坂下先生の呟きが耳に入らなかった。



「言葉を最後まで言わせずに無理に飲み込ませたことが、カッコイイ…ですか?

私は、この上なく残酷なことだと思っています。」











 
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