逆境の桜







隊士「新選組でありながら何故そのような事を!」





「私は新選組じゃないし。........私の事知らないの?」




隊士「知らん」

    



「長州藩主、松村桜。」






隊士「ちょ....長州....藩主....間者か?」

    



「いいえ、只ここに住まわせて頂いているだけ。」




隊士「ならば今すぐ出ていけ!」






「何故?私を追い出してどうするの?」



隊士「お前のせいで局長までもが辛い思いをしているのに気付かないのか!ここはお前の居場所ではない。」







「五月蝿いよ。お前は蠅か?蠅なのか?五月の蠅並に五月蝿いわね。」   






隊士「んの........野郎ぉぉぉぉぉぉ!」





ガコッ バキッ




私の言葉にキレた隊士は私に殴りかかってきた。私はよける事も返り討ちにしてやる事も出来たが敢えて大人しくしていた。何故なら隊士が言っていたことは正しいからだ。ここは私の居場所じゃないもの。





「どうした!?」






「何の騒ぎだー!?」

  




「うるせえな。誰が暴れてるんだ?」

      




「何があった?」





隊士の怒号により、隊士から幹部まで皆集まってしまった。






「おい。お前何をしている。」





隊士「....クソッ....こいつのせいで........こいつのせいで俺等は刀が握れなくなる!そうですよね?副長。」    





「............」



 
隊士「それに........こいつは長州の藩主ですよね?....副長達は知っていたのですか!?」     





隊士に言われ、幹部達は気まづそうに顔を背けた。

 

「おい。局長達を困らせるな。」               





隊士「お前が原因の癖にしゃしゃってんじゃねえよ!」




バキッ




私は渾身の力を込めて隊士を殴った。
    





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