【短編】毒舌美少女と犬系男子
だが、“今更あの子に会う資格なんて無い”とは一体どういう意味だろうか?
だって、あの日が約束の日。
そこで会っていれば、私は少しでも許せたと思うのだが......
私は全く花を許せてない。
そういう訳ではないのだが、約束ぐらいは守って欲しかった。
そこだけだ。
「私は言ったはずだ。」
「海ちゃんは約束の場所で言ってた。
“守れない約束などしても意味が無い”って。
きっとそれは花さん宛のメッセージだったんだ。」
あ、そんなこともあったな。
よく覚えてるな、蒼空は。
私なんて当の昔に忘れていたぞ?
「海、聞いて。ちゃんと、聞いて。」
「......千影と、付き合っているのだろう?」
「う、うん。それもそうだけど.....
海と、仲直りしたい。一緒に住む、まではいかなくていい。
だけど、千影くんとかと一緒にダブルデートとかしてみたい。」
「それが花の夢かね?」
「うん。そうだよ。海と一緒に叶えたい夢。」