だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
夕霙

藹々...アイアイ






二月に入って、バレンタイン企画の後処理とホワイトデー企画の進行により、部署内は慌しくなっていた。

バレンタイン広告は一月で大体落ち着いた。


けれど、すぐにホワイトデー商戦があるので気を抜くことは出来ない。

十一月から三月まで。

うちの会社の一番の繁忙期なのだから。



両方を掛け持ちする場合も多く、営業社員たちは会議とクライアントとの打ち合わせでほとんど席にはいなかった。


私と水鳥さんで事務処理などの社内業務をこなして、夜になると営業のみんなが帰ってくる。

最近は毎日終電ギリギリか、終電に乗れない、という感じだ。




ふと、カレンダーに目をやる。


あっという間に二月になってしまった。

冬の寒さは二月がピークのはずなのに、今月末は寒さが少し落ち着くという。


十年位前にも、二月末に雨が降ったことがあったなと想い出す。

今年もそんな風になるのかもしれない。




パソコンで必要な資料を作りながら、水鳥さんとスケジュールの確認をする。

チーム全員のメールを確認して、一人一人に応じたクライアントとの打ち合わせの日にちを決めた。


スケジュールボードには外出の文字がずらりと並び、連日の忙しさを物語っていた。




< 148 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop