教師の恋愛日
不良の扱い方

ザワザワうるさい教室で、いくら声を大きくしても、生徒達は全く聞いてはくれない。

「皆さん聞いてる?明日から4日間期末試験です、出席番号順で1日過ごして下さい」

{こいつら聞いてんのか?}
美保の方へ顔を向ける生徒といないわけではないが、恐ろしく少ない。
皆、入学当初とは、全く別人だ。
教卓の中に置いておいた携帯をバレないように触り、既に書き終えたメールを送信する。

足音が聞こえてきた。
踵を床に当てながら歩いている。
若干、ベラベラと口を動かしていた生徒達も、足音に耳を澄ませるようになった。

荒々しく教室の後ろのドアが開くと、一斉に生徒は黙り込み、机からはみ出していた足を元に戻したりし始めた。

重たい空気が立ち込める中、ドアの所で突っ立っていた男子生徒が、一つ空いた机へ歩き出して座った。


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