教師の恋愛日
渋々靴を履いて、校門近くの駐車場まで歩こうとしたが、よろけて、出勤した先生に寄りかかってしまった。
「す、すいませんっ」
急いで離れ、顔を上げると、そこにいたのは……
{あ、橘のヤローじゃん……}
我ながら口が悪すぎる。
思いっきり嫌な顔をしてしまったが、マスクと前髪のおかげで、目しか彼には見えて無いようだ。
「風邪ですか?」
「はい、すいません、ありがとうございました」
手短に済ませてその場を離れ、駐車場に歩いて行くと、校門を過ぎる舞矢の姿が見えた。