教師の恋愛日
巾着袋を開けて、雨を3つ取って差し出すと、舞矢は手の中にある飴を眺め、その中から1つだけ取った。
「遠慮しない!もっと持ってきな!」
もう一度手を入れて飴を取って、舞矢の学ランの両ポケットに、ズッと差し入れた。
「うわっ!止めろよ先生」
「あ、ごめん」
「飴、ありがとう」
「うん」
舞矢佐和はいつも何か言いたそうな表情を浮かべる。
聞いても答えてはくれない。
舞矢は、美保には怯えずにズカズカ踏み込むくせに、美保が踏み込もうと足をあげると、サッと逃げてしまう。