教師の恋愛日

「じゃあ先生、職員室戻るよ?」

巾着袋を締めて言うと、肩をいからせて頭を引っ込ませて黙ってしまった。

「…さよなら」

{可愛い…}

「うん、さようなら。気を付けて帰りなね」

小さい子犬を見た時みたいに、胸をキュンキュンさせながら頷いて答えると、パッと顔を上げてくしゃっと笑った。

「ニヒッ、またメールくれよな」

「違うでしょ、最初からいなさい」

「嫌だね」

バックを肩に掛けて意地悪な笑顔を見せると、手を軽く振って教室を出ていった。


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