教師の恋愛日

「すいませんっ」

急いで集めていると、赤ボールペンに伸ばした手と、手伝う橘先生の手が重なった。

{…やべっ!}

先に伸ばされた骨張った手に、美保が触るような形になった。

「ハハッ、すいません!ありがとうございます」

とっさに笑って誤魔化すが、その気になった独身教師の視線は、美保に向けられたままだった。

「…舞矢っ、佐和…と、話が!し、たくてっ…」

{うわっ!30半ばのオッサンがキョドんなよ}

「はぁ…」

「放課後っ、技術室に…」


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