教師の恋愛日

話なんて、今までに何度も行ってる橘だったが、舞矢の態度が変わることはなかった。

{またか…}

放課後のHRが終わってから、教卓前に舞矢を呼んでこの事を伝えると、彼はいつも上目遣いで美保を見る。

あの時は、苦しくなるほど胸が締め付けられて辛い。

「…分かりました。伝えておきます」

一度会釈して机に教材を置き、給湯室へと駆け込む。

舞矢のことだけでなく、今のクラスの生徒達に悩む時は必ず、給湯室に行く。

ブラックのコーヒーをチビチビ飲みながら、まどろんで心を落ち着ける。

するとそこに、あの橘が来た。

{……最悪だ}


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