恋愛しない結婚
奏が経験した今までの恋愛もよく知らないし、こんなに自信たっぷりの俺様な男と一緒にいることに不安もあるけれど。
とっくに奏に捕われていた私の心は、もう奏から離れられない。
離れたくない。
そう気付いた途端、奏に対して抱えていた不安がすっと消えていった。
こんな私のことをここまで大切にしてくれる男にこの先巡り合えるなんて思えない。
それに、私だって奏を大切だと感じて仕方がない。
だから。
「結婚しなきゃって思っちゃった」
ふふって笑って、おもいっきり奏にしがみついた。
「恋愛に慣れてるなんて言う意地悪な奏には、私みたいな酔っ払いが似合ってる」
笑いながら、奏の首筋にそう言葉を落した私は、仕返しとばかりに甘噛み。
力いっぱいの思いを込めて落としたうっすら赤い華に満足し、極上の幸せを感じた。
「あ、このキスマーク、シャツで隠れるかなあ……」
奏はそんな私の言葉なんか気にすることもなく私を抱き返すと、安堵の吐息を落とした。
そして、強い口調で呟いた。
「結婚式は、白無垢で三三九度だから。週末、予約入れような」