妖精と彼
「今日…何かに出会った?」
「え…?」
突然の質問に、理解が追いつけない。
トウくんは俺に近付くと、俺に少しかがむように頼んだ。
俺は、頼まれた通りに少し膝を曲げてトウくんに顔の高さを近付ける。
トウくんが、ボソッと「髪の毛なら大丈夫かな…」とつぶやいて、俺の髪に軽く触れた。
彼の手には、薄いピンクの桜の花びらがあった。
「え……!?」
その花びらを見て驚いた俺の反応を見て、トウくんはニコリと笑った。
「やっぱ、愛くんには"コレ"、見えるんだ…、そっか…。……愛くんが出会ったの、桜の妖精……かなぁ〜?」
「……桜の、妖精……?」
ここで、話についていけていなかったんだろう、姉さんが話に割り込んできた。
「何ー?何の話?何も見えないけど、なんか手に乗ってるの?」
「姉さん…トウくんの手に乗ってるの…見えないの?」
「え…うん、見えないけど。ホコリか何か?」
キョトンとする姉さんに、俺はまた衝撃を受ける。