妖精と彼
そんなウザいトウくんをしばらく姉弟で無視していた。
無視しても、相手をしても、トウくんはウザく泣きわめく。
ハァー…と深くため息をついた姉さんが、何か思いついたようにソファから勢いよく立ち上がった。
突然立ち上がった姉さんを、驚いた俺とトウくんは見る。
姉さんは、ニコリと俺に笑いかけた。
「よし……愛、夕飯は外に食べに行こ!」
「「えっ?」」
トウくんと、反応がカブった。
……嫌すぎる。
トウくんは驚きすぎて涙が止まったらしい。
「だから!今日はご飯食べに出かけよーよ。そして、トウは帰って。」
姉さんがそう言うと、トウくんは悲しげな顔をしつつ頷いた。
「悠ちゃんがそう言うなら…。でも、また来るからね!」
「もー来なくて良いよ。」
姉さんが冷たい目で言い放つと、トウくんはシュンとしたものの帰り支度を始めた。
そして、トウくんはベランダから部屋を出ようとした時、俺を見て固まった。
何かに気付いたらしい。
トウくんから、さっきまでのヘラッとした雰囲気がなくなった。
「………愛くん。」
「………?」