妖精と彼
「………神…?」
『あいさんなら、だいたいわかるとおもうんですが……ようせいってあんまりたいしたことはできないんです。』
『わたしがしるかぎり、じょうほうをあやつることはかみのりょういきです。』
『わたしたち…ようせいは、ただ、そこにいるだけ。』
さくらのよく通る澄んだ声が、俺の頭の理解を促した。
俺が理解できてきたことを察したさくらは、何かを思ったのか、すこし首を傾げた。
『……そういえば、にんげんとくらす…りすくのはなしでしたね…。』
『わたしたち、ようせいは、もともとしょぞくがきまっています。』
「所属?」
俺が聞き返すと、さくらはにっこりと笑って頷いた。
『わたしは、さくらのようせい。そういった、"なにか"のようせいなんです。』
さくらに、そう説明されて、なんとなく伝わった。