隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話
心がほっこりしていると
疲労感溢れる夫が二階から降りてきた。
「お疲れ様ー。とっても上手にできたね」
「細かい作業は疲れた」
近寄って
グッタリと大きな身体を私に預ける。
「桜ちゃん喜んでた」
「喜ばないとこっちが泣く」
「本物よりいいんじゃない?」
「安いしね」
嬉しくて
ギュッと彼を抱きしめると笑われた。
「桜と同じくらい喜んでる?」
「桜ちゃんの嬉しい顔が嬉しい」
「頑張って作ってよかった」
大好きなお父さんと作ったんだもん
宝物が増えたね。
「これプレゼント」
彼の手が開かれ
丸いチークが現れた。
どうしたの?
まじまじと手に取ってると
「それの透明のカバーが欲しかった。中身はプレゼント」
そうか
あの透明カバーは100均のチークのふたなんだ。
感心しちゃう。
「壊れたらまた作らなきゃいけないから、また買ってくる。好きな色あったら教えて」
そう言われて
今度は私が笑う。
「クリスマスにはきっと手に入る」
「そうだね」
彼の腕の中で
まったり幸せしている私。